- 2009年5月25日 18:04
- FreeMagazine VOX | 映画「斜陽」
VOX本誌で掲載している「宇野亜喜良 太宰を語る」に引き続き
宇野亜喜良インタビューをこちらでお送りいたします。
vol.1は黒色すみれ「片羽の天使のパバーヌ」ジャケットについてです。
どのようにしてあの美少女が生まれたのか...
つづきへどうぞ!
黒色すみれのCDジャケットを描くときはどういうイメージを持って描かれたのですか?
僕は職業的なイラストレーターだから、要求されるテーマを外さないようにしようと思うんですね。それで片方しか羽のない天使っていうのがテーマで色々書いていくんですけど。あんまりアイディアを練るというようなことではなくて、何気なく描いていって、でも何か足りないなとかこのコンセプトが出てないなとかっていうときにまた描いていくんですけよ。
女の子を描くときもあんまりこういうタイプの女性を描こうとか、あんな感じを描こうとかイメージはあんまりなくって、指先任せで描いていきますね。
片方の羽だけを描くともう片一方はどうなっているんだろうって思うんで、ちょっとブラックなイメージで鳥の骨だけの羽があるとか。女の子がただいるだけでつまんなくて、なんか手紙でももらっている女の子とか。いくつか描いているうちにプラスされていくことがあるんですね。
見た人が後から「この手紙は誰から来たのか」と考えることもありますよね。
そうですね。小説なんかは確実にそうだし記述があるわけだけど、詩とか短歌、俳句みたいになってくると言葉が少ないから間を読者の感覚でつなぐっていうか、言葉もそうですよね。
それで絵の方はどうしても視覚に訴えるから、想像力に委ねるところが少ないんですね。例えばコーヒーを飲むっていうときに文章で書くのを絵で描くと、表情まで描かなきゃいけない。飲むっていう行為だけではなくて、その時に着ている洋服だとかテーブルの上に他のものが乗っているだとか、描いていくとコーヒーを飲むっていうことだけが伝わらなくて、その周辺も描くことになるでしょ。だから視覚表現ってその辺なるべく抽象化したいときがあって。そうするとリアルに描かないで、あんまり合理的ではない、理屈がないものが一緒にいたりするとこれはもうリアルな絵ではないって思われて解釈される。その方が良い場合がありますよね。だから視覚で描く場合ってどうしても説明的になるんで、なるべく説明をしないように描きたいときがあるんですよ。
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