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事に追われる知美(畑野ひろ子)は、夫の幸治(志村東吾)から言われる小言が嫌だった。幸治からして
        みれば「家庭を守る主婦とは」といったところだろうが、知美は嫌で嫌でたまらない。時には声を張り上げ
        怒鳴る事もあった。父親の薫(財津一郎)に娘(辻玲花)の面倒をみてもらい、なんとかここまでやってき
        た。応援してくれる父、理解を示さない夫、無常にも増え続ける仕事。息抜きに散歩をしていた知美に、
        季節はずれの白椿が目に飛び込んできた。「こんなかわいらしい椿のような女性になるべきなのかし
        ら・・・」懐からそっと出すように、弱音を吐く知美。すると、そんな弱い心とは裏腹に、大きな大きなくしゃ
        みを威勢良くする知美。
        「はっくしょん!!」
        知美に移るのは、知美の姿。知美を見ている知美。
        ・・・「幸治さんの為に美味しい料理を作ろっと♪」。突如一変した知美は、知美を見る。家に帰るといつもと
        様子の違う知美に家族が心配する。しかし、そんな知美を幸治は内心うれしく思っていた。一方、切り花に
        なって家族のテーブルに飾られた白椿は、朝の光を受けながらボトリとその花を落とすのだった。
ッドから身を起こせば鈴(加藤夏希)に押し寄せる受験のプレッシャー。
       服や小物でぐちゃぐちゃになる鈴の部屋は、まるで押しつぶされた心のよう。
       勉強しろと言われれば「わかってるよ・・・」と返し、散歩へ行ったり漫画や雑誌を読む逃走の日々。
       心は現実を受け止めるだけで実に疲弊していた。大学受験も、お母さん(新倉恵子)の顔も、公園の新緑も
       鈴には現実味のないお粗末なオブジェに映る毎日。
       そこへ、孫とケンケンパで遊ぶお爺さんに声を掛けられる「いつもつまらなそうだね・・・」実際そんな自分に
       辟易していた鈴。
       帰宅中、白椿に遭遇すると椿の前で大きなクシャミをする鈴に異変が!